<本田 10' CB1000Rのステーターコイル/充電系統のトラブルシューティング>

先日、知人の同業者(某零細バイク便社長氏)の 本田 '10 CB1000R(イタリア本田製)が電装系トラブルになり、整備する機会があったので記載しておく。

使用期間 約2年半 走行距離 約55,000km
バッテリー上がりの症状であったが、トラブルシューティングの結果、「CBR1000RR系E/Gに頻出」のステーターコイルの焼けによる発電不良が原因であった。
この機体はステーターコイルが損傷しての充電不良では、E/G警告灯は点灯しないようだ。

ちなみに、「充電されない場合」のトラブルシューティングフローチャートでは、

1>最初にメインヒューズのチェック(目視)
2>バッテリーのチェック(充電後電圧 12.8V以上 12.0V以下なら交換)
3>ステーターコイルのチェック(コイルからのカプラーを抜き、テスターでΩを測定 ※要SM 機種毎に数値が異なる)
4>レギュレター/レクティファイアのチェック(テスターでバッテリー端子部を測定 充電電圧5,000rpm時14.0V以上)
5>配線のチェック(物理的断線 テスターで通電を確認)

この機体はステーターコイルASSYが約\25,000と比較的低コストなのだけが救いである。
だが、部品が欠品で納期は1ヶ月後であったので、、、、時間が惜しいためオークション出品の(SC59)CBR1000RRの新車外しジェネレーターカバーコイル付きを入手し、加工して取り付けた。

エンジン自体は同系統で、どう見てもジェネレーターカバーは同じ。問題は、コイルからのハーネスがCB1000Rのよりかなり短いコトだ。

で、損傷したコイルのハーネスを切断し、接ぎ木する事で対策した。三本の交流線なのでどれをどう繋いでも問題はない、と思うのだが、、、、
念の為カプラーの配列の順を崩さずに接続した。ギボシを利用したコードのカシメ接続

あとこのE/Gは液体ガスケットのみでシーリングされている。コストダウンだとは思われるのだがガスケットをかき落とす作業が格段に楽である。
サービスマニュアルが無いので、ステーターコイルの固定ボルトとジェネレーターカバーの締め付けトルクはネジの太さと他車種からの推測で10Nmにしておいた。

あまり使う機会はないとは思うのだが、このような流用も可能なので憶えておくと良いだろう。

2011/08/06